NLPスキル・用語集

このページでは、NLPのスキル・用語をご紹介しています。NLPには、数多くのテクニックがあります。それらを単独又は複合的に使うことで、目標達成や問題解決に必要なリソース(その人が持っている能力、経験、人脈、持ち物などの資源)を見つけたり、行動力をアップすることが可能になります。

あ行

アイパターン

脳に保管された情報にアクセスする際の目の動きを指します。 一般的に上方が視覚、左右が聴覚、下方は身体感覚に動くとされています。

  • 左上に動かす 記憶された視覚イメージ
  • 右上に動かす構成された視覚イメージ
  • 水平に左に動かす 記憶された
  • 水平に右に動かす構成された
  • 左下に動かす内的対話
  • 右下に動かす触覚と体感

※一般的な右利きの方で、向かって正面から見た例 左利きの方は反対になる場合があります。

表象システム(VAK)を理解することで、内部にアクセスしやすい言葉掛けなどが可能となり、より円滑なコミュニケーションに役立てることが出来ます。 また、どのような順番で内部にアクセスするかをキャリブレーションにより掴むことが出来れば、その順番に沿って文章を組み立てると、より一層相手に伝わるコミュニケーションが図れるでしょう。

アウトカム


アウトカムとは「結果・成果」という意味です。

NLPでは「目標を達成したり、問題が解決した状態」=「アウトカム達成」と言います。

成功の6つの法則

  1. 目標を持つ
  2. 鋭敏性(物事を鋭く感じとること
  3. 柔軟性と選択肢
  4. 行動
  5. 一致間
  6. 検証

なおここで言う成功とは「富や名声」に限りません。

たとえば

  • 人との関係
  • 仕事・職場
  • 健康状態
  • 自分の性格、生き方

など、さまざまな「叶えたい」「達成したい」という思いの実現のことを指します。

望む自分や毎日を手に入れるためには、以下3つが必要です。

  1. イメージする力を養う
  2. 制限を緩める・解除する
  3. 心の安定化

これらはNLPの認定コースで学ぶことができ、その全てはアウトカム達成に役立ちます。

アソシエイト・ディソシエイト

アソシエイト
自分の目で見て、自分の耳で聞き、実際にその場にいるように感じること。 主観的に見ている状態で、当事者の立場です。

ディソシエイト
映像の中に自分が見えている状態。 その場にいたら感じるであろう感覚を感じることがないので、ネガティブな感情に向き合うときに役立ちます。傍観者の立場です。

NLPでは意識的にアソシエイト(自分の体験の中に入り込む)したりディソシエイト(客観的視点を持つ)を行います。こうした切り替えを行う事が出来るように状態管理をすることがコミュニケーション能力の向上や願望実現の速度を速めるのに有効となります。

また、私たちは問題に取り組んでいる時にアソシエイトな状態になりがちで、周りが見えなくなることが往々にしてあります。そんな時に、意識的にディソシエイト(客観的な視点)することで、問題の解決策を導き出すことが可能になります。

アンカリング

アンカリングとは「条件付け」のことを言います。

“パブロフの犬”をご存知でしょうか?食事を与える際にベルの音を聞かせることを繰り返し行った事で、ベルの音を聞くと、条件反射でよだれが出るようになったというお話です。

あなたも経験があると思いますが、ふと聞こえてきた懐かしい音楽を耳にすることで、その当時の情景を思い出し当時の気持ちが甦る・・・この一連の流れの状態をアンカリングと言います。

  • 特定の曲を聴くとやる気が起こる
  • ある香りを匂うと、特定の人を思い出す
  • 昔の写真を見て懐かしい気持ちになる

このように、人は意図しないところで自分の感情が湧き上がってくることが多々あります。この状態を意識的に作る方法をNLPではアンカーを作るといい、自分の感情のコントロールやモチベーション管理にも大変役に立ちます。

アンカリングには、ベーシックアンカー・スタッキングアンカー、コラプスアンカー・チェイニングアンカーなどの種類があります。

意識と無意識

私たちは意識と無意識の二つを併せ持ちます。心理学では無意識は意識の2万倍~200万倍もあると言われており、意識できている部分はほんの一握りの部分と言えるでしょう。

例えば、本屋さんにお目当ての本を買いに行ったとします。その際に、平段に積み上げられた本の内、ある一つの本が目に留まる・・・こんな事ってありませんか?もしくは、ど忘れた事を2~3日後に思い出す・・・こんな事ってありますよね。それは常に無意識が探し続けてくれているからなのです。

また、無意識とは過去の体験や記憶をもとに作られて(プログラム)います。そのプラグラムに沿ってその人の振る舞いへと繋がるのですが、このプログラムが知らない内に行動の制限になっているケースも見受けられます。

無意識とは非常に多くの役割をしており、NLPではこの無意識を有効活用する方法が詰まっています。

か行

観念の階層(チャンクサイズ)

チャンクサイズとは情報の大きさを指します。私たちが思考したり言葉にしたりする際に、ひとそれぞれ情報の大きさが違います。大きくは下記の2つに分かれます。

  • 詳細に物事を見る人
  • 大まかに全体像を見る人

あなたにも経験があるのではないでしょうか?
詳しく知りたいのに大まかな話しばかりで全然話が前に進まずイライラ・・・
また逆に、全体像を知りたいのに細かいことを説明されて「どうでもいいよ!」と心の中で叫ぶ・・・
なんていうこと。

NLPでは意識的にチャンクサイズをあわせていきます。チャンクのサイズを相手に合わせることはラポールを築くことに繋がります。

また、意識的に全体像や詳細に視点を当てることで、今まで見えていなかった視点を持つことに繋がり、新たな気付きや発見へと繋がります。チャンクサイズを使い分けることは選択肢や可能性を広げる強力な手法だといっても過言ではありません。

キャリブレーション(カリブレーション)

相手の心理状態をしっかり観察することを指します。

人は言葉と態度が必ずしも一致しているとは限りません。言葉では「大丈夫!」と言っていても、表情は苦しそうだったりする事があります。

嬉しい事を話す時は、表情は明るく声のトーンも高かったりしますし、悲しい事を話す時は表情は暗く声のトーンも低いでしょう。これはわかりやすい例ですが、人のちょっとした変化に気付くことが第一歩になります。そのため、キャリブレーションはNLPの土台となるスキルです。

見るポイントは「姿勢・動き・呼吸・表情・声のトーン・テンポ」などがあります。

キャリブレーションは意識して練習することで細かい変化にも気付けるようになります。

相手をしっかり観察することで、言葉にならない心の状態に気付けるでしょう。

さ行

サークル・オブ・エクセレンス

アンカリングのテクニックの応用で、自分が最高のパフォーマンスを発揮している状態をいつでも呼び起こせるようにするテクニックです。

ベーシックなアンカリングでは、自分の身体の一部にアンカーを作り、望ましい感情を呼び起こすようにしますが、サークル・オブ・エクセレンスでは、いつでもどこでも取り出せるリソースフルになれるスペースを作ります。

持ち運び自由で、好きな時に取り出せますので、リソースフルになりたい時に取り出し活用することが可能です。プレゼンや発表会、緊張せずに最大限いつもの能力を引き出したい時などに有効なスキルです。

サブモダリティ

人は五感を通じて外部から得た情報を、視覚・聴覚・体感覚などの様々な細かい要素に分類して記憶しています。これらの構成要素をサブモダリティ(従属要素)と言います。

  • 視覚:明るさ、色彩、動き、見える場所、大きさなど。
  • 聴覚:音の大きさ、聞こえる方向や場所、音質、トーン、リズム、テンポなど。
  • 体感覚:感じる場所、強さ、温度、重さ、感触など。

何か嬉しかった事を思い出してみて下さい。そこには、その時の映像や音、嬉しかった感情などが浮かんで来たのではないでしょうか。

このように、私たちの記憶はサブモダリティとセットになって保存されています。私たちは過去に起こった事実は変えることが出来ません。しかし、サブモダリティを変化させることでその事実の印象は変えることが出来ます。

例えば、好きな人を思い浮かべて下さい。浮かべた顔を大きくしたり小さくしたり、または近くたり遠くしたり、カラーの映像をモノクロにしたり動画を静止画にしてみて下さい。

好きな人に対する感覚が変化することに気付いていただけたでしょうか。このように過去の記憶に対する印象を変化させていくことで、選択肢や可能性を広げていくことが可能になります。

スイッシュ

自分の内面にあるネガティブなイメージを変換し、新しく良いイメージに組み替えるスキルです。自分が問題だと思っている行動や感情について、イメージを使って即効的に改善させるテクニックです。

爪を噛んだり、二度寝をしてしまったり、ついつい甘いものを食べてしまったり、気付いたら煙草を咥えていたり・・・このような悪癖の改善や、自分の中にあるネガティブなイメージの改善、または嫌な気持になる人や事柄のイメージを変換することで、より生きやすい環境をつくっていくことが出来ます。

サブモダリティを使ったワークの応用になり、ポイントはトリガー(引き金)と呼ばれる、悪癖や嫌な感情・イメージを引き起こすキッカケとなるものを見付けることです。

人は過去の記憶によって何かしらの制限を受けています。記憶を書き換えることでこの制限を取り払い、新しい生き方の選択肢を広げることの出来るスキルです。

ストラテジー

ストラテジーとは戦略のことを指します。

私たちは特定の結果を生み出しているパターンを持っています。 このパターンの順序・構文をストラテジーと呼びます。

  • 上手くいく時、上手くいかない時
  • 気分が良くなる時、気分が落ち込む時
  • 決断できる時、決断できない時

このような行動のプロセスにおいて、無意識的にではありますが、人それぞれのパターンがあります。

もし、自分の成功パターンを知る事ができ、上手くいかない時のパターンを成功パターンに変換できるとしたら、あなたに訪れる結果は今とどう変わるでしょうか?

NLPでは、望ましい結果を得るために、自分の都合の良いようにストラテジー(パターン)の書き換えを行います。そのために、自分が成りたいと思っているモデルを決めて(モデリング)そのモデルのパターンを抽出し、トレースしていったりします。それにより、自分の内部に新しいパターンを入力し、より良い人生へと変換していきます。

このスキルを得る事で、自分にとって不都合なストラテジーを都合の良いストラテジーに変換したり、相手のストラテジーを知る事で、相手の意向に沿った話の組み立てや営業が可能になります。

た行

タイムライン

過去・現在・未来をつなぐ一つのライン(時間軸)を指します。

私たちは時間を一つのラインに見立ててお話しするケースが多々あります。
例えば、「あなたにとって過去はどっちで未来はどっちですか?」と質問すると、ある人は前後に過去と未来を指したます。またある人は左右に過去と未来を指したりします。このように人によって過去の場所や未来の場所は異なりますが、一つのラインとして見立てています。

このタイムラインには「インタイム」と「スルータイム」の2つがあります。

インタイム
時間軸が体の中を通っている。時間の流れの中に自分がいる状態で前後に過去と未来があるケースが多い。時間の中にいるため、今現在に集中することを得意とするが、時間の管理をするのは難しくなる傾向があります。

スルータイム
時間軸が体の外を通っている。時間の流れが目の前を通っている状態で、左右に過去と未来があるケースが多い。客観的に見ているため、時間の感覚に優れており、計画性にも長けています。

NLPではタイムラインを有効に使い、セラピーに役立てたりコーチングに使用したりします。タイムラインセラピーではトラウマや恐怖症を驚異的な速さで克服できると注目されている手法です。

な行

ニューロ・ロジカル・レベル

あなた自身はどんな存在でしょうか? ニューロ・ロジカル・レベルは、自分は何者なのか、自分の可能性を探求できるスキルです。人類学の考えからロバートディルツにより体系化されました。

ニューロロジカルレベルには6つのレベルがあります。

  1. 環境
    周りの環境(時間・場所・関わる人々など)を意識するレベルです。
  2. 行動
    行動・振る舞いなど何をするか?(しているのか?)を意識するレベルです。
  3. 能力
    才能・能力・可能性(何が出来てどんな可能性があるのか?)を意識するレベルです。
  4. 信念・価値観
    信じている事や思い込み(なぜそれが大切だと思うのか?)を意識するレベルです。
  5. 自己認識
    自分は何者なのか?自分は何をする人なのか?を意識するレベルです。
  6. より大きなつながり
    宇宙や地球、社会貢献、職場、家族の中での自分の在り方を意識するレベルです。

これら6つのレベルは互いに影響しあいますが、上位レベルが変化すれば必ず下位のレベルも変化します。

例えば・・・
「私は人から愛される人間ではない」という自己認識レベルを 「私は人から愛される価値ある人間だ」という自己認識に変化させると、

  • 今までとは違い自分の意見をハッキリと口に出来るようになり(行動レベルの変化)
  • それにより、相手の意見も受け入れる事が出来るようになり(能力レベルの変化)
  • いつのまにか周りには仲間の笑顔で溢れている(環境レベルの変化)

このような変化が起こってきます。
意識では気付いていない自分の内面にあるものを各レベルにおいて表面化していくことで自分が何者なのか?ということにも気付いていけるスキルのため、知らない一面に出会い興奮する人や涙する人もいます。褒め方や叱り方にも繋がるスキルのため幅広く使えます。

は行

パーツ・インテグレーション

無意識のレベルで心の葛藤を統合するスキルです。

私たちは大なり小なり様々な葛藤を抱きます。例えば、

  • 間食を止めようと決意したのに、それがなかなかできない
  • 我慢すると食べたい気持ちになり、間食すると罪悪感を感じてします
  • 早く起きようと思っているのに、もう少し寝たいなとゴロゴロしてしまう。
    そして、早く起きるとまだ眠いなと気持ちを引きずり、もう少し寝てしまうと、なぜ早く起きなかったんだと後悔してしまう・・・

どっちを選んでもスッキリしない、このような葛藤を統合し、どちらを選んでも肯定的に捉えられるようになります。

パートにはそれぞれ肯定的な意図があります。各パートにチャンクアップしていきながら肯定的意図を探っていきます。そしてその肯定的意図を満たしてあげるのです。

バックトラッキング

相手の言ったことを返す事を指します。日本語では「オウム返し」と呼ばれています。

方法として大きく3つの方法に分類されます。

  • 相手の話した「事実」を返す
  • 相手の話した「感情」を返す
  • 相手の話を要約して返す。

※ 出来るだけ自分の言葉に言い換えない。

出来るだけ相手の使った言葉を使うで無意識に働きかけラポールが築きやすくなります。

「事実」「感情」を自分の価値観などのジャッジを入れずに受け入れて返すことで、相手は自分の話が理解され受け入れられているという感覚を持ち、承認の欲求を満たすことに繋がります。
そのためラポールを築く大変有効なテクニックの一つになります。ミラーリング、ペーシングと併用して使う事でより効果的になります。

表彰システム(VAKモデル)

私たちは外部からの情報を視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚の五感を使って脳に取り入れています。

NLPではこの五感を視覚(Visual)、聴覚(Auditory)、体感覚(Kinesthetic)の3つに分類しており(嗅覚と味覚は体感覚に含まれます)、この3つの感覚の頭文字をとって「VAKモデル」といいます。

私たちはこれらの感覚をすべて使っていますが、人それぞれに好んで使う感覚は違います。相手が好んで使う感覚が分かれば、伝わりやすい言葉を使うこともできるので、良好なコミュニケーションが取りやすくなります。

車のセールスであれば・・・

視覚(V)
車の外見や内装を実際に見てもらったり、その車に乗って出掛けているところをイメージしてもらう

聴覚(A)
車の性能など詳細な情報を伝えたり、エンジン音などを聞いてもらう。

体感覚(K)
とにかく試乗してもらい、乗り心地など実際に体感してもらう。

相手の使っている言葉や目の動き(アイパターン)に注目することで、どの感覚を中心に使っているかを知る事が出来ます。それにより円滑なコミュニケーションをとる事が可能になります。

フォビア

フォビアとは恐怖症を指します。

恐怖症とは自分自身を守るために無意識が一瞬にして身につけた学びになります。 つまり、フォビアとは一瞬で学習された反応なので、一瞬で再学習することも可能だということになります。

小さいころに犬に噛まれた事で犬恐怖症になる。すると、大人になり意識的には小さい犬だし大丈夫と思えるものの、身体がその通りに反応してくれず、近づこうとすると体が震えたり汗が止まらなくなったりするような反応が出たりします。

フォビアのスキルでは、イメージを使い過去に起こった恐怖体験の記憶を変化させます。

ペーシング

相手の話し方や状態、呼吸などのペースに合わせるスキルです。

具体的には・・・

  • 話し方
    声のトーンやスピード、ボリューム、テンポ、リズム、質
  • 状態
    明るさや静けさなどの感情面
  • 呼吸
    深さや速さ、呼吸している場所(肩や胸、お腹などの呼吸している位置)

ペースを合わせることで無意識的に「自分と似た存在」と感じさせることができ、相手の警戒心を解き、好意や安心感に繋げることが出来ます。バックトラッキングやミラーリング同様に、ラポールを築く有効なスキルです。

しっかりとキャリブレーション(観察)することがラポールテクニック(バックトラッキング・ミラーリング・ペーシング)を効果を高めることにつながります。

ポジションチェンジ

NLPの前提に「地図は領土ではない」というものがあります。

同じ状況を見ていても、人によって捉え方は様々ですよね。ポジションチェンジでは、知覚位置(見ているポジション)を実際に変える事で相手の見え方や感じ方を知る事ができます。

“相手の立場になって考える”を体現したスキルで、相手の理解や問題解決に役立ちます。

「あいつはいつも反対する」「なんで私の気持ちをわかってくれないの?」「あの人、何故だかわからないけど苦手なのよね~」と、こんな気持ちになった事はありませんか?

私たちはつい自分の考え方や感じ方のみで物事を捉えがちです。そんな時にこのスキルが大いに役立ちます。

第一のポジション(自分自身のポジション)と第二のポジション(相手のポジション)、そして第三のポジション(客観的な第三者のポジション)の3つの視点から一つの物事を見ることにより新しい考え方や感じ方が出来るようになります。

また、ウォルト・ディズニーが成功した秘訣の一つにディズニー・ストラテジーというものがありますが、このポジションチェンジの考え方同様、「夢を語る人」「現実を見る人」「批判する人」の3つのポジションになりきり意見を出し合う事で、掲げている目標が達成できるのかチェックをしていました。

ま行

学びの5ステップ
  1. 無意識的無能(知らないしできない)
    あることに関して何も知らず、知らないということさえも知らない状態です。
  2. 意識的無能(知っていてもできない)
    あることに関して知識を得ましたが、それを実践することはできない状態です。
  3. 意識的有能(考えるとできる)
    あることに関してある程度できるようになってきましたが、まだ習慣化されておらず、それを行うためにはある程度の集中力が必要な状態です。
  4. 無意識的有能(考えなくてもできる)
    あなたは意識しなくても自動的にあることを実践することができている状態です。
  5. 無意識的有能
    あなたが無意識的に行っていることを、意識して人に教えることができる状態です。

通常、このステップで学びを深めていこうとすると、ある程度の時間を要してしまいます。しかし、NLPのスキルを活用していただく事で、学習速度は飛躍的に向上します。

ミラーリング

相手の身振り手振りなどの動作を合わせるスキルです。
合わせるポイントは姿勢・身振り・手振り・振る舞い・表情などです。

ミラーリングを行う事で相手は無意識にあなたを「自分と似た存在」だと認識し、相手の警戒心を解き、好意や安心感を感じさせることが出来ます。
相手が腕を組めばこちらも組んでみたり、飲み物を飲めばこちらも飲んでみたりと動作を合わせることで無意識に働きかけていきます。

ただし、あまりにもやり過ぎると違和感を感じたり、警戒心を持たれることにも繋がるケースがあります。
その場合はタイミングを少しずらすなどの応用も可能です。ミラーリングはラポールを築くための有効な手段の一つですが、真似をする事ばかりに気を取られて話に集中できないとなると本末転倒になりますので、しっかりと相手の話を聞きながら観察を行い、バックトラッキングやペーシングと併せて使う事でより効果を発揮するでしょう。

ミルトン・モデル

NLPのモデルにもなっている催眠療法の第一人者であるミルトン・エリクソンの使っていた言葉を体系化したものです。別名、催眠言語とも呼ばれ、表層意識の抵抗を受けずに潜在意識にダイレクトに働きかけることが出来ます。

言葉を意図的に曖昧に使う事で相手は自分の世界モデルに当てはめて解釈をします。

セラピーやカウンセリングでの活用はもちろんですが、テレビCMやチラシなどにもよく使われています。
また、セールスや教育、人材育成、人間関係、自己対話などにおいても活用できるスキルで幅広い人達から注目されています。

ミルトン・モデルの一例

  1. 価値判断者の削除
    「疑問を持つことは良い事です」→ 誰が良い事だと判断しているのかを明確にしていない。
  2. 参照指標の削除
    「驚くほど白さアップ!」→ 何と比べているのかが明確にされていない。
  3. 複合等価
    「仕事が出来るということはモテるということです」→ 異なる価値を同等の価値があるようにみなされています。
  4. 前提
    「横顔も素敵だね!」→ 横顔以外も素敵だという前提で、それが無意識に暗示として相手に伝わります。
  5. 曖昧性(句読点
    句読点の入れる個所によって意味が大きく変わる。
    • 黒い、目のキレイな猫
    • 黒い目の、キレイな猫
    • 黒い目のキレイな、猫

メタ・モデル

私たちが人に何かを伝える時、情報のある部分を削除したり、自分なりの解釈として歪曲したり、一般的な表現に要約したりして伝えてしまいます。

こうして欠落された情報を明確にし、コミュニケーションをより完璧にしようとするためのスキルがメタ・モデルです。

メタ・モデルは削除・歪曲・一般化の3つに分類される12のパターンから構成されます。

削除の項目
不特定名詞:誰が、いつ、どこで、何を?が削除されている。
不特定動詞:具体的にどのように行われたのかが示されていない。
比較:比較対象が削除されている。
判断:評価・価値判断者や基準が削除されている。
名詞化:プロセスを静止した名詞に置き換えている。

歪曲の項目
複合等価:2つの異なる意味が同等とみなされている
前提:何かの前提が隠されている。
因果関係:原因と結果
マインドリーディング:感情や思考を決めつけている。

一般化の項目
可能性の叙法助動詞:無意識のうちに限界を決めている。
必要性の叙法助動詞:~すべきだ。~すべきでない。と決めつけている。
普遍的数量詞:全て、いつも、だれでも、決して~でない、一つも~でないなど、逆説的に制限を与え、可能性を肯定するか否定するかによって例外を認めることがない。

メタ・モデルの質問によって情報を復元し明確にすることで、新たな気付きを得ることができ、知らず知らずのうちに掛かっていた制限を取り除くことも出来ます。

※メタ・モデルを有効活用するためには十分にラポールを築く必要があります。

メタファー

メタファーとは隠喩や例え話の事で、ある出来事に対して関連したストーリーを話すことです。寓話や神話、童話、民謡、伝説などもメタファーとなりえます。

相手に直接伝えると抵抗が起こるような事を、メタファーを通じて間接的に無意識に働きかけることで、相手の抵抗なくそこから語られるメッセージや教訓、気付きや学びを得てもらえるのです。子供に童話を読み聞かせることで悪い事をしてはいけないと気付いてもらうこともそうですが、無意識に訴えかける手法のため大人にも有効です。

会社で部下の育成をする際に、直接的に「努力が必要だ!」と訴えかけても、「そんな解っているよ」と心の中で反発が起こるでしょう。そこでメタファーを使い、自分の体験談や成功者の話をしたりする事で努力の必要性を気付いてもらう事も出来るでしょう。

メタファー作りのポイントとして、相手をしっかり観察することにあります。そして、相手の興味のあることでメタファーを話して上げるとより受け入れやすくなります。

モデリング

望む結果を出している人の行動や感情、思考などを意識的に体系立て、そのモデルに成りきるスキルです。

よく、成功者になりたければ成功者の真似をしろと言われます。しかし、見た目だけで真似をしてもなかなか上手くはいかないでしょう。そこでNLPのモデリングを活用します。

モデルとなる方の価値観や信念、ストラテジー、フィジオロジー(身体の使い方)を抽出します。抽出したものに沿ってモデルに成りきっていきます。そうすることで、その方の成功パターンが自分にインストールされていきます。

じつはNLPそのものが、3人の天才セラピストをモデリングし体系化したものです。

NLPの前提には「誰かに出来る事なら自分にも出来る」というものがあります。

上手くいっている誰かをモデリングすることで、成功パターンを手に入れたり、自分自身にある制限を取り除いたり出来ます。

ら行

ラポール

ラポールとは、心理学用語で信頼関係を意味します。

ラポールを築く事(心を開いて相手を受け入れる状態)はカウンセリングやセラピーの場面ではもちろんですが、ビジネスや教育、夫婦や親子、友人関係においても重要な事になります。

NLPでは、素早くラポールを築くテクニックとして以下のスキルがあります。

  • バックトラッキング
  • ミラーリング
  • ペーシング

人は無意識に自分と似ている人に好意を持ちます。長年連れ添った夫婦が似てきたというのもよく聞くお話ですが、似ているからこそ好意を持ち、好意を持つからこそ似てくるのかも知れませんね。

ラポールを築くことで・・・

営業が楽になり、次々と契約が取れるようになった。
部下からの信頼を得られるようになった。
友人とのコミュニケーションがより深くなり、言いたいことが言いやすくなった。
夫婦間で感じていた溝を感じなくなった。
自己肯定感がアップし、今までより自分を好きになれた。

そういったことが可能になります。

リフレーミング

「良いも悪いも本人の考え方次第」ウィリアム・シェイクスピア

リフレーミングとは出来事の枠(フレーム)を付け替える事です。

有名な例としてコップにはいった水のお話があります。
「半分しか水が入っていない」というフレームと「半分も水が入っている」というフレームでは感じ方が違ってきます。

もともと、外部から入ってくる情報は無色透明です。
私たちは、過去の体験や記憶によって構成された価値観や信念などのフィルターを通すことにより自分自身で色付けします。(自分なりの枠をつける)
リフレーミングとは新しい色付けの方法を知る事で選択肢や可能性を広げることの出来る強力なスキルです。

リフレーミングには“状況のリフレーミング”と“意味のリフレーミング”があります。

状況のリフレーミング
他にどんな状況で役に立つのかを考えるフレームの変え方。
大声で話す子供の声はレストランなどの場所では迷惑かも知れません。しかし、状況を変えて運動場で元気に声を出すとなれば感じ方は違ってきませんか。もしくは、何かしら発表の場で元気なで大きな声は聴いていて気持ちが良いものになるかも知れません。

意味のリフレーミング
他にどんな意味があるのか?他にプラスの価値があるか?というフレームの変え方。
「失敗しちゃったな・・・」と後悔の気持ちを持っていた場合、失敗という状況はそのままに、そこにどんな別の意味があるのか?を探します。そして「うまくいかない方法を一つ学んだ」と意味付けを変えることで、今感じている感覚に変化を起こしていきます。

このようにリフレームしていくことで、自分の感じ方に変化を起こしたり、制限となっている枠を取っ払う事で選択肢や可能性を広げていけるようになります。