カテゴリ

 

世界を広げる

アフガニスタンの東方に盲人だけの住む街があった。ある日、王に率いられた軍隊がやってきて、郊外の砂漠に露営した。

王は一頭の大きな像を連れて来ていたが、それは戦闘のためではなく、人々に自分に対して畏怖の念を抱かせるためでもあった。

やがて象の噂で騒然となった盲人の街から、真相を知ろうとして、何人かの者が狂ったように駆けつけてきた。

彼らは象というものを全く知らなかったので、各自が手探りで象の身体に触れ、お互いの体験を話し合った。そして、誰もが少なくともその一部に触れていたので、自分こそが真実を知っていると思い込んだ。

彼らが同胞のもとへと帰るとすぐに、間違った道を歩んでいる者から真実を学ぼうとする、誤った情熱にかられた大勢の人々が集まってきて、口々に象について尋ね、一言たりとも聞き逃すまいとした。

耳に触った者はこう答えた。「大きな、ざらざらした平べったい生き物で、まるで絨毯のようだった」
鼻に触ったものが「いや、そうではない」と反論をする。「管のような身体をした、獰猛な危険なヤツだ」
足に触ったものはこう言った。「丸くて、太くて、がっしりした柱のような生き物だ」

全員が象の身体の一部分にしか触れていなかったので、その理解は不正解であり、全てを知るものは1人もいなかった。

(「盲人と象」:L.シャー「スーフィーの物語」1967)

考えさせられますすね。あなたは、この物語から何を感じたでしょうか。