近年、会話力が再注目されています。
ここ数年「話し方」の教室が増えており、その効果が気になる方も多いようです。
そこで今回は、話し方教室の効果を、心理学の面から考査します。
多くの話し方教室では「声」「見た目」「言葉の構成」といった表現方法で、好印象を与えることを学びます。
また話し方教室のタイプによっては、ここにプラスして
- 熱意を持って伝える
- 講師のキャラクターを真似する
などを学ぶところもあるようです。
多くの話し方教室は「表現力」を中心とした技術(スキル)を学びます。
これは「表面に現れる部分を変えていきましょう」という内容です。
心理学的には表層へのアプローチと言えます。
ここには「ある程度のレベルで話せる」「伝えたいことがある」という前提があり、それを元にカリキュラムが構成されています。
【表層へのアプローチ】
- 発声・滑舌
- 振る舞い
- あがり症対策
- スピーチ・会話のつくり方
- 熱意を持った伝え方
- 上手くいっている人の真似をする
しかし本来コミュニケーションとは、表面だけで行うものではありません。
滑らかにスピーチをしたり、熱意を持って伝えたとしても、心を汲み取れないと、必ず行き違いが生じます。
コミュニケーション・会話で本当に大切なのは「心をくみ取ること(深層へのアプローチ)」です。
これは相手の気持ちだけではなく、自分の気持ちも含まれます。
深層へのアプローチ
- 相手の心を開く、距離を縮める
- 状況に応じ、相手に伝わりやすい言葉を使う
- 自身を知り、個性を発揮する
- 対人関係のストレスを減らす
- 無理なくその場に馴染む、話さなくても良い印象を与える
- 会話の切り口を変え、話題を増やす
話し方教室を家で例えると、発声や振る舞いなどの「表現力」は見栄えの部分です。
「心をくみ取ること」は基礎や土台にあたります。
土台が弱いと、どんなに見栄えが良い家であっても、いつか崩れてしまいます。
会話やスピーチをもっと楽しみたい、話せない自分を変えたい、と思っている場合は
まず心理学に触れ、深層へのアプローチについて学ばれることをお勧めします。
そうすることで「誰かのよう」ではない「自分らしい」スピーチ・会話を手に入れることができるでしょう。