ホワイト企業なのに若手が不足!離職率が高い会社の特徴ワースト3

\ ゆとり世代は…Z世代は… / という偏見がある人ほど変に優しくしがちです。
「お菓子配り族」は最近よくある例ですが、機嫌をとることに気を取られていては本末転倒です。
ホワイト企業の経営者・マネージャーが学ぶべき、若手の指導方法をお伝えします。


若手がホワイト企業を辞める理由

近年働き方改革が進み、ハラスメント・長時間労働・サービス残業・高離職率などのブラック企業は減ってきていると言われています。
その一方で、最近は「ゆる過ぎるホワイト企業」が増加しそのゆるさが原因で離職するケースがあると言います。

リクルートワークス研究所の調査では、大手新入社員の4割近く(36.4%)が職場を「ゆるい」と感じていると報告されています。

株式会社ライボが行った独自調査でも「働く環境がゆるすぎると感じる企業」に勤めた経験がある方は全体の34.2%という結果になっています。
またそのうちの48.9%が「ゆるさを理由に転職した」と回答しています。

■働く環境の実態調査 2023

では若者が言う「ゆるい職場」とは、どんな職場を指すのか?

上記の調査報告か推測されるのは「成長の機会に不安がある会社のこと」ということです。
その根拠として、WorksReportをご紹介します。

■大手企業における若手育成状況調査報告書(キャリアに対する不安感)

  • 「このままこの会社にいても成長できない」36.9%
  • 「別の会社や部署で通用しなくなると感じる」45.6%
  • 「友人に差をつけられていると感じている」34.6%

成長に不安を抱えている若手が、いずれも30%を超えています。

また「忙しくても給料の良い仕事がしたいか」という質問には、53.2%もの人が「YES」と回答。
別の調査では「Z世代は出世欲が強い」という報告もあります。

こうしたことから若手は「ゆるい職場に不安を感じ、ホワイト企業を離職している」と考えることが出来ます。

すると

/
叱っても辞める・ホワイトになっても辞める!どうすれば良いんだ

ってなりますよね。

そこで今日の本題です。
「ホワイトなのに離職が多い会社の特徴」をワースト3位から順に発表し、対策もご紹介します。

ホワイトなのに離職が多い会社の特徴

3位:指導=叱ると思っている

「怒るとパワハラと言われる」「叱ると辞めてしまう」という声を耳にしますが、このセリフを言っている会社は結構ヤバいです。

怒ったり叱ったりすることだけが指導ではありません。

もしあなたの会社で管理職の方がこのセリフを言っていたら、スグにでも研修を行うべきです。

コーチングを取り入れた1on1やマネジメントなど、メンタル面からの指導方法を管理職に学ばせましょう。

そして、自社なりの指導方法を確立させていくことが重要です。

2位:若手に責任を与えない

もしあなたの会社で、若手を大事にするために「出来るだけ責任がないように配慮している」なら、それは逆効果かも知れません。

責任が無い仕事は、穿った見方をすると「誰にでも出来る仕事」です。
誰でも出来る仕事ばかりだとチャレンジする機会が無いため、若手は成長を感じれません。

すると、このままで良いのか?と不安になり転職を考えます。
対処法は、思い切って責任を与えること。

責任を与える時のコツは、

  • ある程度の裁量権を持たせること
  • 途中での報連相が出来る関係を築く

ことです。

やり方や進め方を自由に決められると、責任が発生するため自主性の発達にも繋がっていきます。

しかし、全てを任せきりだと何かあった時に困りますので、定期的な報連相が出来るようにしておくことが大切なポイントです。

1位:優しいのがホワイトだと思っている

ワースト1は「優しいのがホワイトだと思っている」です。

あなたの会社の管理職がこんな風に思っているとしたらかなりマズいです。
この勘違いが指導を鈍らせますし、責任を与える勇気を挫きます。

そもそもホワイトを目指す理由は、生産性や企業価値向上のためのはずです。
従業員の機嫌をとることに気を取られていては本末転倒です。

優しくする=ホワイトという勘違いが、新人に「ぬるい職場」と感じさせるのです。

ゆとりやZ世代は…という偏見がある方ほど変に優しくしがちですが、大切なのはメリハリです。

どの世代もそうですが、頑張る人もそうでない人もいます。
大切なのは、どちらの人に対しても成長できる組織であることです。

では、どうやってメリハリをつければいいのか?
心理的安全性を確保した上で、評価する機会を設けることです。

なぁなぁにすることなく、しっかりと目標を立てた上で「出来ていること・そうでないこと」を明確に伝えるようにしましょう。

そして目標設定は「本人が納得していること」が前提です。

心理学的には

  • 曖昧な目標より、明確な目標が良い
  • 難易度の低い目標より、難易度の高い目標のほう業績が高い

ということが確認されています。

なおこの考えは、マネジメントの神様であるドラッカーの「目標管理理論」の背景として説明されることがあります。

しっかりと1人ひとりと向き合って、目標設定&フィードバックを行うことが新人の成長を促します。
新人も成長を実感できれば、この会社にずっと居たいと思うようになるでしょう。

終身雇用が難しくなってきていますが、人材不足を補うためにも「長期的に働いて欲しい」と思うのが経営者です。

このコラムが離職率の改善に向け、新人が成長できる環境を作る参考になれば幸いです。