【倒産回避】任天堂に学ぶ、経営危機から事業復活する戦略

現在世界シェアNo.3の任天堂にも何度か経営危機がありました。

彼らは倒産のピンチをどう乗り越えたのか?
そこには任天堂の事業復活を支えた「あるもの」がありました。


「任天堂」と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?

私にとっては、小学校の頃に夢中になったファミコンが思い浮かびます。
ドラクエやロックマン、魔界村、そしてファミスタなど、懐かしいゲームがたくさんありました。

妻はゲームボーイ、娘はSwitch世代で、家族全員が任天堂の作品に親しんでいます。

その任天堂も、何度か経営危機に直面したことがあります。
その一つが、プレイステーションの登場によるものです。

任天堂の倒産危機1「プレイステーション」

当時、スーパーファミコンのソフト価格が1万円を超えていた中、プレイステーションはCD-ROMを採用。
ソフトの価格を5000円台まで引き下げることに成功しました。

また開発会社へのロイヤリティも任天堂の半分以下に抑え、プレイステーションを中心に優れたソフトが開発されました。

窮地に立たされた任天堂は、新たな市場を開拓。
「年齢や性別を問わず、誰もが楽しめるゲームソフト」を開発することにしました。

その時に、任天堂DSの大人の脳トレが誕生。
これが大ヒットし、敬老の日にゲーム機とソフトを祖父母にプレゼントするという現象も生まれました。

もう一つ忘れてはいけないのが、任天堂Wiiです。
家族団らんや運動不足解消に一役買い、今まで「敵」だった母親層を一気にとりこみました。
新たな市場を切り拓くことに成功したのです。

任天堂の倒産危機2「スマートフォン」

プレイステーション発売で起こった危機を乗り越えた任天堂ですが、今度はスマートフォンの普及により再び窮地に立たされます。そこで任天堂は新たな戦略とります。

ゲームのオンライン対応

それまで任天堂はオンライン対応に消極的でしたが、オンライン対戦・セーブデータのお預かり・発売後の無料アップデートなどサービスを充実させました。

この努力によってネット世代からの指示を獲得。
SNSでトレンド入りすることも増え、任天堂の露出が増えました

IP活用

IPとは、キャラクター・楽曲・タイトルなど、知的財産のことを指します。

任天堂はマリオや星のカービィーといった知名度の大きなキャラクターを、自社でたくさん抱えています。
こうしたキャラクターたちを、以前は有効に使えていませんでした。
これを積極的に活用すると決めたのです。

オフィシャルストアでグッズを売ったり、テーマパーク・カフェなどでキャラクターを展開し任天堂の露出を高めました。

「オンライン対応」と「IP活用」のわかりやすい例がポケモンGOです。

ポケモンGOは位置情報サービスを利用したスマホゲームです。
人気キャラクターがスマホを通して、現実世界に出現します。

自分の近くに隠れているキャラクターを捕まえる!
オンラインで近くのユーザーとバトルをする!
エリア限定イベントに参加する!

このような楽しさから世界的に大ヒットし、社会現象になりました。
あまりにも多くの人が夢中になったので、警察署が「ポケモンGO」利用時の注意事項を提示したほどです。

倒産危機から事業復活するために必要なもの

任天堂代表取締役フェローの宮本茂さんはポケモンGO開発についてこのように発言されています。

スマホゲームに積極的になれなかったが、時が経つにつれてスマホの存在を無視できなくなった。
1人でも多くの人に遊んでもらうため、覚悟して(アプリ開発を)行った。

どの業界もそうですが、決断力は会社の運命を左右します。

経営者にとって、決断力は企業を興亡させるカギとなります。
変化の激しい市場で成功するためには、市場動向を把握し、柔軟に対応できる決断力が必要です。

リスクを冷静に管理し、組織を適切に導くためにも、明確なビジョンに基づいた決断が欠かせません。
成功の裏には適切な決断があることを心に留め、経営者は常にその向上に努めるべきではないでしょうか。