問題社員の傾向がある人には「3つの特徴」があります。 モンスター化しても簡単にクビにできません。そのため採用時の見極めが大切です。
【問題社員】採用面接で見抜く方法【モンスター予備軍】
たった1人の問題社員が組織を崩壊させる
自社にとって適切な人を採用し、問題を起こす人には遠慮を願う「誰をバスに乗せるのか」問題は、社員1人の影響力が大きい中小企業にとって、とても重要なテーマです。
金八先生の腐ったミカンではありませんが、心理学には腐ったリンゴ効果というものがあります。
腐ったリンゴ効果とは、組織の中に悪影響を及ぼす人間がいると、組織全体に悪い影響が伝染して、組織そのものが駄目になってしまうという考えです。
ネガティブな思考や気持ち・行動は、ポジティブなものよりも長く蔓延し、及ぼす影響も多いとされています。
米国CIAの前身であるOSSは「組織を機能させなくするためのスパイマニュアル」を作っていました。
アメリカは敵の情報を得るためだけにスパイを活用していたのではなく、内部から崩壊させるために腐ったリンゴの役割をさせていたのです。
それくらい、腐ったリンゴの影響は大きいということです。
腐ったリンゴ効果を防ぐ為には、腐ったリンゴを見つけたらすぐに取り除くことです。しかし、果物と違い、会社ではクビにして取り除くことは容易ではありません。
クビにするには、「客観的に合理的な理由」と「社会通念上の相当性」が必要ですが、明確な線引きは難しいです。
もし、クビを検討するなら、就業規則と照らし合わせた上で妥当か? クビにするだけの根拠や証拠はあるか? 注意や指導など、最善は尽くしたか? など、入念な準備が必要です。
また、クビにすることで、原則として助成金が6ヶ月間貰えなくなることや訴訟のリスクがあることなど、デメリットがあることも理解しておく必要があります。
すると、組織をダメにする問題社員の対応は、採用でふるい落とすか、採用後に育成するかのどちらかです。
今回は、採用の時に出来るだけふるい落とせるように、問題社員の特徴を3つご紹介します。
また採用時に気を付けることと採用後の対処についてもお伝えします。
採用してはいけない!問題社員・モンスター社員予備軍の特徴
採用では、能力や学歴ではなく、自社の理念に共感する方を採用することが重要です。
(中小企業が採用すべき人材や採用の手法については「中小企業は優秀な新卒を採用するな」という動画で解説しています)
しかし、理念に共感していても採用してはいけない人がいます。
意識高い系の完璧主義
無駄にプライドと意識が高くて、全てを自分でやらなければいけないと思っている人は要注意です。
こういう人は変な自信を持っていて「報連相をしない傾向」と「他人に対して攻撃的になる傾向」があります。
「報連相をしない傾向」
どんなに優秀であっても仕事をしているとズレが生じます。
最初はなんてことないズレでも放置することによってそのズレはどんどん大きくなっていきます。
早く対処していれば些細な修正で済んだにもかかわらず、対処が遅れると多くの修正が必要になります。
1からやり直した方が早いのではと思う場合もあるでしょう。
つまり、報連相がないと修正する機会が無くなるのです。その結果、無駄な仕事を増やし、社員を疲弊させ、生産性を下げるのです。
「他人に対して攻撃的になる傾向」
意識の高い完璧主義者は自分が正しいと思い込んでいるため、指摘をされると感情的に反論します。
すると、反論された方も感情的になり、建設的な議論はできなくなります。
こうしたことが続くと対立構造が生まれ、人間関係がどんどんこじれていきます。
これらの問題をなくすために、採用時には、自分のミスで起きたトラブルの対処について質問しておくと良いでしょう。
ポイントは「他人に助けを求められる人なのか?」「 助けを求めるタイミングはいつか?」自分のミスを受け入れられる人か?」「 他責にしていないか?」ということを確認することです。
また、すでにいる社員には報連相の重要性を改めて教えましょう。それに伴い、会社としては失敗しても良い風土を作りましょう。
権利ばかり主張してくる怠け者
ろくに仕事をしないにもかかわらず、権利だけを主張する人がいます。
権利を主張することは悪いことではありませんが、会社なので義務を果たすことも大切です。
しかもこういう人に限って就業規則などを知らずに浅はかな主張をする方が多いです。
例えば、事前に重要な会議があることを伝えていたにもかかわらず、有給を申請する人。
このような人は、有給は労働基準法で定められた権利だと主張します。(事業の正常な運営を妨げる場合、会社が日程変更を求めることが出来ることを知らない人がほとんどです。)
それでも多くの場合、会社側が有給を許可するのですが、こうした人は「有給を拒否られた」と会社の悪口を周りに吹聴します。
こうした人がいると周りのモチベーションを下げ、雰囲気を悪くします。また、真面目に仕事をする人が損をするので不公平感・人間関係のトラブルも増えます。
余計なトラブルを起こすような人には居て欲しくないと思うのが本音ではないでしょうか。
こうした人の入社を未然に防ぐ方法として、中途採用の場合は「退職理由」に注目して下さい。
このような権利主張型の人は他責にする傾向があるため、突っ込んで話を聞くと前職の悪口を言いがちです。
新卒の場合は、トラブルの時の対処や頑張った時のことを訊いてください。
トラブルの原因を他責で話されたり、頑張る理由に疑問を感じる時は、採用を慎重に行いましょう。
ネガティブ
何をするにしても否定的な言葉から入ってくる人がいます。
もちろん、その先に明確な理由や根拠、代替案があるのであればいいですが、そうでなく感情的に否定するような人は生産性を著しく下げます。
こうした人は「でも」「だって」「しかし」などの接続詞を多用し、行動しない理由を探す癖を持っています。
また「無理」「出来ない」「私なんて」といったセリフも多用し、思考停止しり癖も持っています。
面接では、新たな取り組みについて意見を聴いてみたりしてください。すでに入社されている方への対応として、否定的な意見が出た場合笑顔で一度受け止めてあげてください。
心理的安全な場を作ることで肯定的な意見を言いやすくするのです。
その他にも、リフレーミングの研修を行い、練習する環境を作っていきましょう。
リフレーミングとは別の視点で捉えることです。
例えば、給料の20%を貯金しろと言われると、ちょっと厳しいなと感じますが、給料の80%で生活するようにしようと言われると余裕な感じがします。
何でもそうですが、物事には裏表や側面があります。どの角度から捉えるかによって感じ方は大きく変わります。
敵をライバルと捉えることも出来ますし、独身の淋しさは自由とも言えます。
ウンチの汚さは農家に行くと肥料になり、東京では見えない星も田舎では輝きます。
こうした捉え方を練習させることで今まで見えていなかったものが見えるようになり、ネガティブだけではなくなっていきます。
まとめ
以上、採用してはいけない問題社員の特徴と採用時の対処法、既存社員への対処についてご紹介しました。
3つの特徴の内、1つでも当てはまると組織の生産性を30~40%も下げることが組織行動学の研究で報告されています。
企業の成長に向けて採用を行っているにもかかわらず、こうした問題社員に足を引っ張られるのは本当に避けたいものです。
だからこそ、採用や育成をしっかりと行うことが重要です。