【組織崩壊】管理職がやりがちな、失敗コーチング3選【独学コーチングの危険性も解説】

勘違いコーチングは部下育成どころか 組織崩壊を引き起こします 。

今回は管理職が無意識にやりがちな「失敗コーチング3選」と「独学コーチングの危険性」を解説します。

部下をダメにする上司・下手な関わり方をする管理職を生まないために、正しいコーチングを学ばせましょう。


コーチングの落とし穴

インターネットで「コーチング」と調べると、関連キーワードで「何様」「うざい」「上から目線」「質問攻め」「意味ない」と出てきます。
これは間違ったコーチングを教えるスクールが乱立した結果です。

コーチングブームに乗っかり、資格ビジネスとして行っているスクールは、回転率を高めるために「最短で資格取得」や「〇日で習得可能」のような宣伝文句を用いていることが多いです。
また独学でコーチングを学ぶ方もいますが、これは絶対におすすめできません。

自立心の高い方やコスト削減思考の方は人から学ぶことを避け独学でなんとかやりきろうとします。
でもそれは他人の話に耳を傾けず自分の力を過信している独りよがりな思考の表れです。

こういう人ほど、失敗コーチングの罠にハマり大きな失敗を起こします。
部下育成どころか組織崩壊を引き起こすのです。

正しいコーチングとは?

正しいコーチングとは何か?
一言でいうと「対話による支援」です。

ここでのポイントは援助ではなく「支援」だということです。
援助は全面的に支えることですが、支援は一部を支えるものだからです。

コーチングは相手の能力や可能性を信じ自分の力で進めるようにきっかけをつくる関りです。そのため、支援という形態をとります。

主な支援の方法として質問を用いますが、その理由は大きく2つあります。

  1. 自ら気付くことで自己肯定感を高められる
  2. 自分で言ったことに責任を持とうとする一貫性が働く

これにより意欲的な行動を引き出すことができます。
しかし、そのためには絶対に押さえるべき2つのことがあります。

コーチングで大切な2つのこと

心理的安全の確保

不安や諦めがある状態ではまともな答えを引き出すことは出来ません。
仮に、誘導して答えを言わせたとしても意欲的な行動にはつながりません。

そうならないためには安心して素直に答えられる関係の構築や環境の整備が必須です。

コーチングでは心理的な関係構築の手法としてラポールの確立を習いますが、よりコーチングを機能させたいとお考えなら、経営者の協力が必要です。
管理職にスキルを学ばせるだけではなく、心理的安全な環境を作ることも同時に行いましょう。

これはコーチングだけではなく指示や指導においてもです。
心理的安全な状態で建設的な会話が出来る環境があってこそコーチングやマネジメントが機能します。
(心理的安全については別のコラムで詳しく解説しています)

思考法を知る

思考法は、コーチングの基礎となるものです。どんなスキルでも使い方が良くなければ効果は見込めなくなります。
だからこそ、コーチングを学ぶ際は思考法まで教えてくれるスクールを選ぶことをお勧めします。

では、どんな思考法が必要なのか?
それは「抽象化思考」「ロジカルシンキング」「クリティカルシンキング」の3つです。

抽象化思考
共通点をみつけて1つにまとめることです。
このメリットは、目的を明確にし選択肢を増やせることにあります。
多くの選択肢を持つことは可能性を広げることにつながります。

ロジカルシンキング
仮説や筋道を立てます。やみくもに思いついた質問やありきたりな質問をしていても時間を無駄にするだけです。
部下と一緒に考えるスタンスでどんな順番で質問すれば良いかを自問自答することが大切です。

クリティカルシンキング
批判的思考といわれるもので物事を無批判に受け入れるのではなく多様な角度から捉えます。

抽象化で目的を明確にし、ゴールに向けてロジカルに組み立て、批判的な視点で新たなものを生み出す。
この3つの思考法が土台にあることでコーチングが機能します。

管理職がやりがちな失敗コーチング

ここからは、管理職がやりがちな失敗コーチングを3つご紹介していきます。
経験不足だと無意識にやりがちですが、逆効果なので絶対にやめさせてください。
改善策もご紹介しますので、自社の管理職をチェックする参考にしていただければと思います。」

せっかちコーチング

出来なくて困っているという相談に、最初から「何が原因だと思う?」「どうすれば出来ると思う?」といった質問をする方がいます。
この質問、部下からすると「それがわからんから相談しているのに」という感じです。

なんでもそうですが、核心に迫るまでの段階が必要です。
こうした失敗は、仕事に追われて時間がない管理職がついついやってしまいがちです。

尋問&誘導コーチング

コーチングの本質は引き出すことです。
それにもかかわらず、自分の望む答えを言わそうと、尋問や誘導をする方がいます。

確かに、あなたの思う答えを言わせれば、あなたは気持ち良いかも知れません。
しかし相手からすると、コーチングの真似事をした茶番でしかありません。

こんな茶番をさせられるくらいなら、指示や命令をされる方がよっぽどマシと思っています。
こうした失敗は、自分が正しいと思い込んでいる方や、部下の可能性を信じていない方にありがちです。

とにかく質問すれば良いと思っている

指示や指導をすれば良いことでも、とにかくコーチングする方がいますが、これではいくら時間があっても足りません。
効果的に人材育成を行うには、指示指導すべきこととコーチングすることを区別し、必要に応じて使い分けることが大切です。
この失敗は、仕事の目的を忘れていたり、コーチングに囚われている方に多く見られます。

まとめ

コーチングで人を導こうとした時、導く側の思考力はとても重要です。
もしあなたが本気で管理職の育成を考えているなら、普通にコーチングを学ばせるのではなく「心理的安全性」「思考法」をセットで学べる研修やコンサルを選ぶことをお勧めします。